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2024.05.24

KeePerの新商品『TREX(ティーレックス)キーパー』をEPC会員が体験!

文=上田純一郎 写真=岡村智明 取材協力=キーパーラボ京都店

2024年1月、千葉県の幕張メッセで行われた東京オートサロン。
そこで恐竜の頭蓋骨の化石とともに、KeePer技研株式会社による新商品、『TREX(ティーレックス)キーパー』が施工されたアストン・マーティンDBXがお披露目された。このことはENGINE Premium Clubサイトでもご報告をしたが、その際に募集を行った、EPC会員によるTREXキーパーのモニター・リポートをお届けしよう。

多くの応募の中から、幸運にもこのモニター・リポートの機会を射止めたのは和歌山在住の松浦聖哲さん。TREXキーパーは施工に温度、湿度などの管理が厳格にされる専用のブースがあり、ノウハウを熟知したスペシャリスト、TREXマイスターがいる東京、名古屋、京都の3店舗でスタートした。そのため松井さんはモニターの当日、朝早くに自宅のある和歌山を出て、10時にキーパーラボ京都店へと駆けつけてくれた。

彼の愛車は2013年型のポルシェ911カレラGTS。自然吸気エンジンにこだわって探し、2年前にようやく手に入れた991型の前期モデルだ。保管スペースに屋根はあるが閉鎖されてはいないそうで、ある程度の雨風は防ぎきれないという。

カレラGTSの走行距離は年間1万kmほど。家族もクルマ好きでこの911にも乗るという。現在992型GT3 RSの納車を待っている生粋のクルマ好きだ。「でもGT3 RSが来ても、GTSを手放すつもりはないですよ」と笑う。

今回GTSにTREXキーパーを施工するのはキーパーラボ京都店のチーフ、村田圭哉さん。まず村田さんが松浦さんに愛車の状況をヒアリングすることから、長い一日がはじまった。

作業は丁寧な2度の洗車にはじまり、専用ブースへ移動し徹底した拭き上げを実施。その後、ボディ・パネル毎にプライマーガラスと高密度化プライマーガラスによる2層のコーティングを施工。さらにTREXキーパーの名の由来である3層目のコーティング、超高密度の防汚高輝度レジン皮膜、TREXリキッドエレメントを車体に塗布するという流れだ。コーティング硬化のための時間も必要で、2層分を終えた時点で、時刻はすでに午後4時である。

「愛車がどんどん綺麗になっていく姿はいつまでも見ていられますね」

ときどき村田チーフに作業内容を尋ね、過去に別の愛車で経験した2層構造のEXキーパーとの違いを確かめていた松浦さんだったが、残念ながら時間切れ。「もう十分綺麗ですけど、明日の完成が楽しみです」と、名残惜しそうに去って行った。翌日、作業完了後にまた来るという。

彼が去った後も作業はまだまだ続く。それにしても村田チーフの身のこなしは本当に無駄がない。施工するパネルの順番、コーティング材の塗布と拭き上げの方向、次の作業への段取りなど、何もかもが正確でよどみがない。しかし3層目、新開発されたというレジン皮膜、TREXリキッドエレメントは見るからに粘度がこれまでの2層とは異なるものだった。クロスも専用になり、繊細かつ、より強い力での拭き取りが求められる。すでに作業開始から9時間が経過し、あたりはすっかり暗くなってきた。それでも作業スピードは落ちない。

午後7時半。ようやく手が止まった。はたしてそこには、見事に仕上がった911が静かにたたずんでいた。漆黒の車体が周囲を写し込み、目から入る情報量が、桁違いに多くなった気がする。あれ、911のこんなところにプレス・ラインはないはず……と思って見返すと、それはさっきまで見えなかったブース内の壁の薄い継ぎ目の映り込みだった。

後日、911を引き取ったオーナーの松浦さんから喜びのコメントが送られてきたので、一部を紹介しよう。

「最初に感じたのは“凛とした空気”、そして“圧倒的な存在感”でした。あまりの綺麗さ、そして周囲の景色をすべて映し出してしまう鏡面のような仕上げ。おそらく7層の塗装が施されているというトヨタ・センチュリーの空気感が近いと思います。VIPがセンチュリーのCピラーで身だしなみを確認する習慣があるそうですが、ここまでクルマが輝いていると乗り手もちゃんとしないと、と身が引き締まります。そうした思いは運転マナーにも繋がるのでしょう。TREXキーパーによって芸術品のように生まれ変わったGTSに負けないよう、自分もステップアップしたいです。まずは降りた時、車体に映る自分の身だしなみをチェックするところから……。それにしても一度TREXキーパーを知ってしまうと、これから手元に来るクルマも施工したくなってしまいます」 松浦さんが再びキーパーラボを訪れる時は間もなくやって来る911GT3 RSと共にだろうか。それは、さほど遠い日のことではなさそうだ。