3月2日に筑波サーキットで開催されたENGINE DRIVING LESSON。全国から集まった皆さんの古今東西の愛車は、眺めているだけでも楽しいけれど、思わず2度、いや、3度見してしまう「あの」車も走りました。普段はサーキットを走らない方、初めての方でも大歓迎です!
文=村山雄哉(本誌) 写真=神村 聖
3月2日、20年目を迎えるエンジン・ドライビング・レッスンが筑波サーキットで今年も始まりました。講師を務めるのは、おなじみのトム吉田さん。コロナ禍も終わりが見え、満員御礼となった今回のレッスンは昨年10月にエンジン・プレミアム・クラブが発足してから初めての開催。全国各地から26人の皆さんが集まりました。このうち初参加の方は前回と同じ11名。ここまで多いのはかなり珍しいことで、たくさんの方に来てもらえて、本当に嬉しいです。
皆さんと一緒に、本誌からは村上編集長と私が参加。私は昨年の1回目以来、1年振り、3度目です。これまではVW・ゴルフGTIで参加していましたが、今回はマツダ・ロードスター(NB型)NR―Aで走ります。昨年末「メディア4耐」の応援に駆けつけたら欲しくなってしまい、勢いで買ってしまったのです。
過去3年間に行ったこのレッスンの天気を振り返ると、6回開催中、5回も雨。それでも今回は珍しく、暖かな晴れ模様で始まりました。いつものように、午前中はジムカーナ場にパイロンを並べて作ったオーバル・コースで基礎練習です。
クルマを思い通りに操るために重要なのは、4つのタイヤの荷重をコントロールすること。まずは、オーバルを定速で周回します。このとき、コーナリング中にはスロットルを少し開けることで操舵の抵抗による速度低下を防ぎ、車両の前後バランスを均一に保つことを目指します。これが「イーブン・スロットル」です。
続いては、直線区間でしっかりと加速し、わずかにブレーキを残しながらコーナーに進入することで、操舵輪である前輪に荷重を残し、グリップ力を引き出す「トレイル・ブレーキング」を学びます。どちらも、車の動かし方の基本的な考え方はどの駆動方式でも変わりません。前後の荷重をコントロールして4輪をしっかりと使うことは、サーキットで速く安定して走れるようになるだけではなく、普段の安全運転や、万が一のときに緊急回避できる余裕にも繋がるのです。
どんな人にもオススメ!
午後は、曲率や向きが様々なコーナーが続くコース1000で、午前中に練習した2つの荷重移動のコントロールを中心に実践します。コース走行では、つい気合いが入ってしまいますが、ここで「トランジションを意識しよう」とトムさん。加速状態から減速動作に移るときや、連続するコーナーで左右の荷重が切り替わるときに、必ず中立の状態を作り出そうというアドバイスです。例えば、アクセルからブレーキにペダルを踏み変える瞬間、ほんの少し、何の操作もしない時間を挟むだけで、見違えるように安定して次の動作に移れます。ロードスターはサスペンションの動きが大きいから、その効果をすぐに感じることができました。
今回こそは雨に降られずに終えられると思っていたら、やはり最後に通り雨が。より丁寧な操作が求められる低ミュー路面での練習も叶ったから、これは「恵みの雨」です。
エンジン・ドライビング・レッスンでは、初心者からベテランの方、軽量コンパクトスポーツから大排気量の重量級マシンまで大歓迎です。愛車の操り方が分かると普段のドライブの楽しみ方の幅も一段と広がるから、愛車との関係もさらに深くなること間違いなし。次は5月25日。皆さんの参加をお待ちしています!