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2022.11.09

3カ月の期間限定で、ランボルギーニ・ウラカンEVOに乗ってみた!(その3 とにかく“嵐を呼ぶクルマ”です。)

今月も快調に爆音を響かせて走る93号車ウラカンEVO、と言いたいところですが、ある日の深夜、思わぬ事態が発生。3カ月の貸与期間満了を前に、緊急入院中となっています。

文=村上 政(本誌) 写真=柏田芳敬(走りとメーター)/村上 政

先月は常磐道でパトカーに追いかけられた話を書いたが、今月も思わぬ事態に見舞われた。英語にするとハリケーンとなる車名どおり、とにかく"嵐を呼ぶクルマ"なのだ。その困った話については最後に報告することにして、今回はまず、ウラカンの走りの性格を豹変させるドライブ・モードについて書いておきたい。

ウラカンEVOの走りにおける最大の特徴は、4WDに加えて新たに後輪操舵の機能が装備され、4輪に作用するトルク・ベクタリング・システムや磁性流体サスペンションを使ったダンピング制御などを含めた走りに関するすべての機能が、ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータと呼ばれる中央処理装置(コンピューター)によって統合制御されるようになったことだ。予測ロジックまで駆使してクルマがドライバーの意思を読み取り、ドライビングに最適な状態を作り出してくれるというのだが、ドライブ・モードの選択は、その最大の意思の表れだろう。ステアリング・ホイールの底辺のスポーク上にある赤い「アニマ」と呼ばれるスイッチを操作することで、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」の3つのモードを選べるようになっており、これが驚くほど大きな変化をもたらすのだ。ストラーダからスポーツに切り換えただけで、停車していてもエンジンのアイドリング回転数が上がり、背後から獣のうめき声のようなサウンドが響いてくるようになる。そして走行中にはアクセレレーターを踏めば巨大なバリトンの美声を朗々とあたりに響かせ、緩めるとパンパンとバックファイアーのような音を撒き散らすのである。

痛々しい姿になったウラカンEVO。剥がれかけたビニールは保護ラッピングの痕跡だ

これだけ派手な音を出し、しかもこの派手な蛍光イエローのボディとくれば、まわりから注目されるのは当然である。走っている時はもちろん、止まっている時だって、こんなに目立つクルマに気づかない人がいるとは考えもしなかった。ところが、ある日の深夜、会社の駐車場に停めてあったクルマにバックしてきたバンが接触。右前のバンパー部分が大きく傷つけられる事態となったのだ。なんと低くて見えなかったらしい。

もっか入院中で、3カ月の貸与期間の最後に参加予定だったイベントには、応急処置で駆けつける予定だ。

ドライブ・モードの切り換えとともに、メーター・パネルも変化する。ストラーダ(上段)に対し、スポーツ(中央)では回転数を示す帯の色が変わり、アイドリング回転数も増しているのに注目。コルサ(下段)ではデザイン自体がまったく変わる。

ENGINE 2022年9月10月号 掲載