2022年10月6日(木)に、筑波サーキットのジムカーナ場とコース1000で行われたエンジン・ドライビング・レッスン。実は初開催から19年目にして、初めてとなるうれしいことがありました。
文=上田純一郎 写真=神村 聖
残念ながら早朝から冷たい雨となった筑波サーキット。そんな天気に臆することなく、10月6日(木)、今年2回目のエンジン・ドライビング・レッスンのため色とりどりのクルマが集まりました。いつも通り村上編集長の挨拶の後、チーフ・インストラクターのトム吉田さんによる座学でプログラムがスタートしますが、そこで少々驚きの発表が。24名の受講生のうち、初参加がなんと11名も! このレッスンは2004年にスタートし今年で19年目ですが、ここまで多いのは初のことです。
午前中はジムカーナ場でパイロンを並べて作ったオーバル・コースを走ります。最初は直線部分でブレーキングの練習。続いて指定速度でコーナーに侵入し、決められたパイロンまでブレーキを引きずるトレイル・ブレーキングと、コーナリング中にスロットルを開けることでクルマの姿勢を安定させるイーブン・スロットルを学びます。ここではミニFMを使った、トムさんによるアドバイスもあります。
初参加の皆さんは最初は緊張気味でしたが「まるで横に座っているみたいに自分のミスや修正方法を指摘してくれるんですね!」と驚いていました。また、ある程度慣れてくると少しでも速く走ろう、と操作に力が入りがちですが「大事なのは再現性のあるクルマの操作」とトムさん。そして乗っていない時、クルマを動かすことを考える時間を増やすことも大事、と1人1人丁寧に助言し、質問にも答えます。
とはいえお昼休みや走行の合間にはちょっとブレイクということで、レイヤードサウンドという既存の車載オーディオに追加するサウンド・システムの試聴会も実施されました。大がかりな変更を伴わずAピラーや天井にコンパクトな機材を追加するだけで目覚ましく音が変化します。これには走り好きのベテラン受講者も、重量増や見た目の変化が少ないのがいいね、と注目していました。
午後はコース1000へ移動し、サーキットを体験。午前に学んだトレイル・ブレーキングとイーブン・スロットルの復習です。午前と違い同じ向きだけでなく、曲率や侵入速度も変わりますが、反復練習をすることが、しっかり身につく何よりの近道なのです。
諸事情により午前の走行を体験できなかった受講生が2名いたのですが、こうしたレッスンも、サーキットも初めてとのこと。そこでトムさん率いる講師陣は、走行グループの追加や、同乗走行の機会を増やすなど臨機応変に対応。また、周回を重ねると欲が出てタイムを気にしてしまったり、慣れで気が緩みますが、1度の走行時間を減らし、代わりに走行回数を増やすことで、集中力が途切れないようにします。おかげで午後はかなりの雨だったにもかかわらず事故やトラブルもなく、無事コース1000の走行も終了しました。
「いやいやこの雨で、みんなよくがんばった」と最後はトムさんも皆さんの上達ぶりに目を見張ることに。このようにエンジン・ドライビング・レッスンは初心者も大歓迎です。次回の参加をお待ちしています!