81回目にして10人もの新しい仲間を迎えた筑波サーキットは絶好のドライビング練習日和。
この練習は、クルマが変わっても生きてくるのです。
文=村山雄哉(本誌) 写真=神村 聖
エンジン・ドライビング・レッスンが今年もスタート。
81回目を迎えた3月6日、10人もの初参加の方を新たに仲間に迎え、編集部2人を含む総勢24人でドライビング練習に励みました。直前には、東京にも雪を降らせる季節外れの大寒波の到来に、どうなることかと心配しましたが、当日の筑波は雨の気配すらありません。人にもクルマにも優しい曇りコンディション、絶好の練習日和です。
参加車両もいつもとはちょっと違います。シビック・タイプRを筆頭にホンダのスポーツ車が5台、これまでのEDLでは珍しいメルセデスも3台集まった一方で、いつもなら4〜5台は集まるマツダ・ロードスターは常連のSさんだけ。減ったうちの1台分は、私がマイ・ロードスターではなく、トヨタ86で参加したからです。Sさん、ゴメンナサイ。
午前中の会場はジムカーナ場。パイロンを並べたオーバル・コースで、4つのタイヤに掛かる荷重をコントロールするための考え方を学びます。コーナリング時の荷重バランスをブレーキとアクセルを使いコントロールする練習を繰り返します。午後はお待ちかねのコース1000走行で実践練習するのもいつも通りです。
過去6回、マイ・ロードスターで参加していた私は、86では初めてのコース・インに不安がありました。86はワンメイク・レース用の車両であらゆる動きがソリッドな上に、加速はロードスターよりずっと速い。ストレート・エンドの速度も違えば、当然、ブレーキング・ポイントも同じようにはいかないからです。
しかし、クルマが変わっても、運転操作の考え方の基本は変わりません。午前中に練習するイーブン・スロットルとトレイル・ブレーキングを組み合わせて、全身でクルマの動きを感じ取るのです。校長のトム吉田さんは、いつも「今の周よりも次の周、その次の周がより速くなるように心がけなさい」と言います。今回はいつも以上に初心に返って、少しずつクルマとの対話を深めるように心がけました。
私の今回のベストは43/44周で43秒239。単純比較はできないですが、前回記録したマイ・ロードスターのベストからは1秒6の更新です。EDLの教えは、例えクルマが変わっても通用するスポーツ・ドライビングの基礎だということが分かりました。これも、ドライビング・レッスンの魅力だと思います。ちなみに、最終ラップでベストを記録したのはロータス・エリーゼのIさんとポルシェ718ケイマンのSさん。最後の5周以内でベストを記録した方は合計11人もいました。皆さん素晴らしい練習ができたようです。
次回は5月22日。初めての方も、久しぶりの方も、とっておきの愛車で思い切り走ってみませんか? 皆さんの参加をお待ちしています!
全員・全車、無事に一日の走行を終了。また次回のレッスンでお会いしましょう!